昨今、私たちの環境は一変し、外国人の方が周りに増えています。
コンビニ、飲食店、宿泊所、工事現場など今や外国人の方がいるのは何も珍しくありません。
また、留学や就職で海外在住の日本人も珍しくありません。

そして今私たちの周りに当たり前にある公的サービス、例えば住民票や戸籍などは当たり前には外国にはありません。
海外在住の方や在日外国人の方は、不動産登記においてどのようにそれらの問題をクリアするのでしょうか。

住所の証明

住所の証明には住民票の写しを使用するのが一般です。

  • 日本に住む日本人
  • 外国に住む日本人
  • 日本に住む外国人
  • 外国に住む外国人

以上のそれぞれのケースで考えましょう。

日本に住む日本人

当然に住民票の写しを使用するのが一般的です。
また、戸籍には「附票」というものがあるので、この「戸籍附票」を用いての証明も可能です。
印鑑証明書による証明も可能ですが、印鑑証明書は住所の「履歴」を記載しないので住所変更の登記の場合には使えません。

ちなみに「住民票」はその「登録」を意味する言葉で、登録された内容を出力して公的に証明するものを「住民票の写し」と呼び、「住民票」自体は誰にも取得できないのですが、お客様には便宜「住民票」と伝えております。
「住民票の写し」と伝えた結果、「住民票の写しのコピー」をご持参されてしまう方もいるのでそのような対応をしております。
紛らわしいですが、我々が役所で取得するのは「住民票の写しの原本」なのです。

外国に住む日本人

住民票の写し、戸籍附票は使用に耐えません。
取得しても「アメリカ合衆国」などと国までにとどまった記載になるのがせいぜいです。
そこで、海外の「日本大使館・領事館(いわゆる在外公館)」で「在留証明書」取得する必要があります。
これが住民票の写しの替わりになります。

日本に住む外国人

日本に住んでいる外国人は、転入届を提出し、住民票の写しが取得可能です。
印鑑証明書も登録、取得可能でこちらを用いても問題ありません。
しかし、戸籍附票は取得できません。日本国籍が無いとその方の戸籍自体存在しないので、当然ながらその附票も取得できません。
登録してしまえば住民票の写しが取得できるので外国に住む日本人よりも簡単だと言えます。

外国に住む外国人

外国とひとことで言っても様々な制度の国があります。
当然に日本の住民票制度が及ぶ範囲ではありません。
そこで一般的な方法ですが、その国の公証人が証明する「宣誓供述書」を使用します。
日本で言う公証役場のような形で、内容について「これで間違いありません」と宣誓、署名を行ないます。

印鑑の証明

例えば不動産登記における売買の売主、贈与者、相続の遺産分割協議当事者などはその意思を確認するために「実印」と「印鑑証明書」を要します。
これらはどのような扱いになるのでしょうか。

日本に住む日本人

通常通り実印と印鑑証明書によって意思を証明します。
押印された印影の外側「〇」の部分は一定以上欠けていた場合に申請が通らないことがあります。
印鑑を酷使して「〇」がすり減ったものは使用に耐えない場合があるので注意しましょう。

外国に住む日本人

日本に住所登録が無いと印鑑証明書は取得できません。
そこで、海外の「日本大使館・領事館(在外公館)」にて「署名証明書(サイン証明)」を取得します。
これは筆跡を元に意思を確認するものです。
タイプとして「単独型」と「貼付型」があり、「単独型」は単にサインを証明するものですが、「貼付型」は、例えば遺産分割協議書や委任状のような本体書類と「セット」で証明するものです。
筆跡で判断するとは言え「単独型」では印鑑証明書の印影のような正確な合致は要求できないので、登記申請においては「貼付型」を使用するのが安全です。

日本に住む外国人

印鑑証明書を登録可能なので通常通り印鑑証明書を用います。
見たところカタカナで「スミス」などと書いたものが登録されるケースが多いです。

外国に住む外国人

来日時においては「在日大使館・領事館」にて「署名証明書」を取得できるケースがあります。
日本において署名証明書を取得できないケースや外国にいる場合は意思を証明する内容そのものを盛り込んだ「宣誓供述書」を用いることが出来ます。

戸籍の取得

戸籍に登録されるのは日本人のみです。
これは在住地にかかわらず同じです。

日本人の場合

原則通り戸籍謄本などを取得します。
在外日本人も通常通り戸籍関係の証明書は発行されます(附票の住所は具体的ではありませんが・・。)。
従来は本籍地の役所で取得するものでしたが、広域交付制度の施行により本人など一定の立場の方は最寄りの役所でも取得可能です。
なお、我々のような資格によって職務上請求、職権で交付請求する時は広域交付制度は使えません。

外国人の場合

宣誓供述書を使用するのが一般的です。
一方、戸籍制度は日本の他に中国、台湾があり、韓国では既に廃止されました。
このように国に応じて制度が違うので一度確認する必要があります。